枕木は材質を何にするかで調達先が変わります。ホームセンターで売られているSPF材(ツーバイフォー材)は、雨水に濡れ直射日光にさらされる地中での耐久性がないので最初から除外しました。インターネットで調べた限りでは、木質樹脂の杭材の尖端を切り落として使うと半永久的な寿命が期待できると書いてあるものの、単価が高いのと寸法的に適切なものが手に入らないという問題がありました。ちょうどこの頃、家の南面にあるウッドデッキが設置以来10年ほど風雪にさらされて土台部分が朽ち、危険な状態になっていました。業者に修理の依頼をしたところ、やはりSPF材で作られており、寿命に達しているので全面的に作り直さなければならないとのこと。60万円余りの見積書を見て、こちらも耐久性のある長寿命の木材を探して自分で設計施工することにしたので、材質の選定をする必要に迫られました。
朽ちたウッドデッキの支柱 新しいウッドデッキの構想 |
我が家の前の道を挟んで斜め向かいに、私と同じく退職後趣味を楽しんでいる方が家具工房を構えています。その長沢さんは定年を迎えた後職業技術専門校で一年間木工を学び、一連の木工機械を揃えて作業建屋を自宅敷地の一隅に構え、ご近所や知り合いからの依頼を受けてオリジナルの各種家具を作っています。私もこの後電車の車体製作で全面的にお世話になるのですが、木材の性質について知識があるので、枕木とウッドデッキの材質の相談をするために扉をたたきました。長沢さん自身が各種の木材を加工していてその性質に精通しているのですが、一度仕入れ先の製材所を一緒に訪問して専門家に相談してみようと勧められました。
鹿部から車で西の方へ一時間余り走った厚沢部(あっさぶ)町に広葉樹の製材や家具販売をしている鈴木木材があります。社長の鈴木さんは「木と話ができる」と言います。丸太を見ると「ここをこう切ってくれ」と言う声が聞こえるそうです。「日陰で育った木を家の陰になるところで使ってやるといつまでも元気にしている。使い方を間違えると木は死ぬ。」とも言っていました。鉄道用枕木については、津波で被災した三陸鉄道の復旧のために大量に納入した実績があり、アカシアが適しているがクリも同様に耐久性があり枕木によく使用されていたとのこと。近年枕木はほとんどがコンクリート製になってしまって、あまり需要がないそうです。結局アカシアの枕木50×70×720mmを200本と、ウッドデッキ用の各種寸法クリ材をまとめて発注しました。枕木は1本あたり約240円で、30cm間隔で並べると200本で延長約60mになります。60mという距離はレールの仕入れとも関係しますので後述します。
発注から一ヶ月ほどでウッドデッキ用の材料とともに枕木が鈴木木材のトラックで運ばれて来ました。
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