と言っても鉄っちゃん向けテレビバラエティ番組ではありません。独立車輪付きボギー車は急曲線の走行抵抗が小さくなるので庭園鉄道に適しているという結論を得て、それならどんな車両がいいかと考えたお話です。鹿部電鉄では翌春から本格的にエンドレス建設に力を注ぐことにしているので車両増備のためにマンパワーを割くわけにはいきません。その後と言うとまたまた年を重ねるので、元気で身体が思い通りに動く間にそんな車両を完成させることができるか甚だ疑問です。たぶん実際に製作することにはならないであろう車両なので、やりたい放題の仕様を盛り込み妄想を膨らませて楽しもうという魂胆です。屋外はすっかり冬景色になって雪かき以外の作業はお休み、スキーから帰ったら暖かい部屋でパソコン遊びに没頭します。
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札幌市交通資料館に保存されているD1040 |
大沼電鉄にボギー車は存在しなかったのでモデルの縛りはありませんが、やっぱり好きな車両にします。第一候補は「鹿部前史」(2020/10/8投稿)に書いた札幌市電のD1040、1964年(昭和39年)製、本邦唯一のディーゼル路面電車です。今日でも通用しそうな近代的スタイルは当時中学生だった私をその虜にしていましたが、北海道への撮影旅行の計画を裏切るかのように1971年に廃車されてしまいました。幸運にも札幌市交通資料館に保存されていて2010年に初対面を果たしました。遡って1979年の夏イギリスに長期出張した際にロムニー・ハイス・ダイムチャーチ鉄道に乗ったのですが、帰り道ロンドンの本屋で”Modern Tramway”という雑誌が棚いっぱいに並べられているのを見つけました。実はその雑誌に憧れのD1040の記事が図面と一緒に載っていることを知っていたので、片っ端から表紙の写真をチェックしてとうとうOctober/1966号を手に入れたのでした。その日は15インチゲージ鉄道の乗車体験よりD1040の図面が入手できたことで天にも舞い上がる気分を覚えました。今その図面で15インチゲージの車両の妄想をしているのは何かの因縁かもしれません。
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Modern Tramwayに掲載されていた図面 |
全長13mのうち、窓2個分をカットし、中央の巨大両開きドアを片開きにして10mに短縮します。前面のパノラミックウィンドウをそのまま残せば、イメージを充分再現できます。台車の軸距は1600mmなので1/3より少しでも短く500mmにします。大きな空気バネに揺れ枕が目立ちますが、それらしくなんちゃって台車に仕上げるのは得意技です。車体は全体に丸みを帯びているのでカヌー製作技法が応用できます。車体断面の枠を台枠に固定し、外側に杉の薄板を貼り付け、最後にFRPで仕上げます。窓がはめ殺しなので窓枠を作る必要がなく、その点で手間が省けそうです。本来の扉もその幅では役立たずなのではめ殺してしまい、側板ごと開く「乗務員扉」を目立たぬように設けます。いや、両開きドアを復活した方がいいかな?
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ショーティのイメージと車体の構造を妄想する |
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車内に乗り込めません |
一方でその魅力的な前面の造形をいかに再現するか、パノラミックウィンドウの成形、固定、方向幕と換気口の構造、屋根と裾の3D曲面成形など課題が山積みです。とはいえ、あれこれ考えることは楽しいし、いつ何時までに答えを出さないといけない仕事ではないし、失敗したからと言って誰かに責められるわけでもありません。ただ緊張感のない生活は認知症まっしぐらになりますから、頭と指(パソコン)はできるだけ使うように心がけます。そうやって1/3スケールの図面に私サイズのフィギュアを貼り付けてみると、、、、「アッチャーっ」。D1040は路面電車なのでやはり全体的に小ぶりなのでしょう、乗り込んで運転するには10~20%オーバースケールにしなければならないようです。
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