2021/12/08

レールの保管について

  レールの運搬にはトラックチャターが必要になるためまとめて購入しないと単価が割高になることを書きました(202010月投稿「レールの調達」)2014年春に20(55m)購入してその年に10本を敷設し、残りは庭の片隅に並べて保管していました。雨ざらしですが、そもそも線路は屋外に設置されるもので錆びたからと言って使えなくなるはずはありません。と、思っていました。

 ところが5年以上保管していたレールを使って分岐器を作ることになり、あらためてレールの表面を観察してみると、ずっと使用してきたレールとは異なって凹凸が目だっていることがわかりました。これもワイヤーブラシで擦り取れば平らになると思っていました。酸化で体積が増えた錆が表面に付着しているのならその通りですが、錆が盛り上がっているのではなく、腐食で斑点状に肉がえぐれていたのでした。また安易にグラインダーで削り取ることを思いつきましたが、腐食していない表面は製造時の熱変化で硬化していて砥石が滑るので簡単には削れないことがわかりました。たった5年放置していたレールですが、山中で何十年も眠っていた森林鉄道の廃レールにも似た状態でした。ただ踏面が下に向いた状態で保管されていたレールの腐食は幾分軽症でした。

 5年間雨ざらし保管したレールの発錆状況  右の写真は踏面を下に保管していたもの 

線路として使用していたレール表面
 敷設済みのレールの側面や底面こそ同様に錆びて凹凸表面が目だつ部分もありますが、毎日とは言わずも数日おきに車輪が転がって行くレール上面は腐食が進行しないのでしょうか。時々曲線部に塗布する潤滑油が広がってきて防錆効果があったのかもしれません。

 無駄とは思いながらワイヤーグラインダーで出来る限り錆落としをして分岐器に使用しました。まぁそれが原因で脱線や走行不良、騒音の異常な増大が起こるわけではないので今後気を付けることでケリとしました。対策としては、購入したらできるだけ早くクリアラッカーを吹いておく、最低でも頭部、できれば側面、底面も処理しておくことが望ましいと思われます。保管場所は雨のかからないガレージなどがよいのでしょうが、長さと重量があるので縁の下などは出し入れの方法を工夫する必要があります。初めてレールが届いた日、鉄紺色で断面に角が立ったその姿に見惚れて頬ずりしたことを思い出し、あらためてこの世の無常を悟りました。

ワイヤーグラインダーで錆落とした敷設直後のレール(左)と運行で表面が幾分平らになった後の状態(右)

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