2021/07/05

鹿部町文化祭出展 当日編

  文化祭前日の午後、デ1と展示用線路を積載した2台の軽トラックに追随してキャラバン隊が中央公民館に到着しました。展示スペースとなるバルコニーは一段高くなっていて荷台からは水平移動で定位置に設置することができます。人夫の数が多いので方向転換や横移動も難なくこなせました。車止めを噛ませてこの日の作業は終了です。

搬入作業

 113日文化の日、晴れの特異日とされていますが北海道ではすでに冬の始まり、年によっては雪が降ることもあります。この日雪や雨こそ降らなかったものの朝からどんよりと曇っていました。展示場所は公民館の北側の角で、陽当たりは期待できないどころか時折建物を巻いて風が吹き込んで来ます。パネルを吊るしたパーテイションを保管してある屋内から運び出し、「大沼電鉄デ1型電動客車」の看板や「大沼電鉄の写真や昔話をご存知の方はお申し出ください。」という表示を並べ、鉄道員の詰襟に着替えて準備万端整いました。この衣装は黒(濃紺)の背広の襟を起こし、胸に自家製金ボタン、袖には金帯を縫い付けて昭和の駅長を連想させる出で立ちにしてあります。10年来背広を着たことがなかったのでもっと大胆にリフォームしようかとも思ったのですが、礼服以外の唯一の正装なので切った貼ったはやめて安全ピンを使ってそれらしくまとめました。

所定の展示場所で記念写真撮影

町長と町議(観光協会会長)に大沼電鉄の説明
 が、お客さんの姿はまばらです。開場から1時間ほどして幼稚園児のお遊戯が舞台で始まる頃になると家族連れがホール目指してやって来ますが、みんな電車の前は素通りです。見たこともない電車より我が子の晴れ舞台のほうが気になるみたいです。そのうちにご近所や役場の顔見知りがちらほら立ち寄ってくれるようになりました。前評判では、黒山の人だかりになるとか、新聞の取材もあるとか、言われていたので名刺を何十枚も印刷して用意していたのに空振りです。それでもわざわざ見に来てくれた人たちがいて、「懐かしい」「この色の電車に乗ったことがある」「親から聞いたことある」「プログラムを見て気になった」と話してくれたり、「なんで地元出身じゃね人がこんなことを調べてくれるのさ?」と聞く人もいて少しはアピールになったかと納得しました。

 風はますます強くなって体感温度は真冬並みになりましたが、ダウンジャケットを羽織ってはせっかくの衣装が意味をなさないので足踏みをしながら耐えていたところ、主催者側で足元にストーブを用意してくれました。来訪者も途絶えて来たので予定より早めに店仕舞いし、私にとって初めて出展者になった鹿部の文化祭は終わりました。

鹿部町広報誌2019年12月号に掲載された出展の様子


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