屋根の製作を進めながら側板と妻板の仕上げや塗装を並行したので説明が前後します。ウィンドウシル・ヘッダーや幕板の継目など隙間が目立たないようにコッテリパテで埋めました。水性なので水で溶いて刷毛で上塗りするときれいな平面になります。2、3日置くとパテが痩せるので削って盛ることを何回か繰り返すと継目はほとんどわからなくなります。#80で粗削りした後、#240で電動サンダー仕上げします。羽目板の部分は節の凹みなどを除いて木目を残すためにできるだけパテを塗らないようにしました。パテ塗り仕上げ完了
表面が平滑になったら、削りカスをきれいに拭き取り、油性ペイントを刷毛で塗ります。「ニッペホームペイント、鉄部・建物・トタン用」ですが、もちろん木部にも使用できます。実物はおそらく当時の国鉄客車や電車の標準色、ぶどう色1号だったと考えられます。ニッペの中では「チョコレート」が最もそれらしく、調合済みなので後で買い足しても色調に差が出ないだろうと考えました。屋外使用を前提とした油性ペイントはラッカーより耐候性が強く、塗膜が厚いうえに刷毛塗りでもムラが出にくいというメリットがあります。重ね塗りをすることで塗膜をさらに丈夫にしてムラをなくすことができます。超速乾とは謳っているものの、ラッカーに比べると乾きが遅いので重ね塗りには2、3日置く必要があります。とりあえずは2回塗って、後は1年ごとくらいに塗り重ね、ある程度の塗膜になれば適宜補修するという計画でよいと思っています。
車体塗装完了 |
木製車体を組み立ててから約1年無塗装状態でした。直接風雨にさらされないように、作業時と運転時以外はシートを被せていましたが、濡れるとシミができて見苦しくなります。「せっかく木造なんだからニス塗りにしたら?」と冗談で言われたこともありました。確かに函館市電の復元車はキレイな木目車体です。油性ペイントは、塗って数ヶ月くらいは水を弾きますが、その後徐々に撥水性は低下していきます。それでもクリやアカシア材は水に強いので腐るおそれはありません。むしろ濡れることでペイントそのものの色艶の劣化が進むことが心配です。
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