2021/04/09

その後の進化

  電車にモーターや制御器が取り付けられて実感的な運転ができるようになると、やっぱりまたそれに夢中になって作る方の手が止まってしまいます。それでも少しずつですが、電車は進化を遂げます。

少し引き締まった感じになりました
 側板と妻板は最初ノッペラボーでしたが、幅広の側窓中央に縦桟を追加して小窓に分割し、ウィンドウシル・ヘッダー(窓上下の帯板)を取り付けて、少し引き締まった顔立ちになりました。妻板のシル・ヘッダーは裏側からノコギリで切れ目を入れて少しずつ曲げながら木ねじで固定します。クリ材は硬いので何か所かひび割れしてしまいました。ウィンドウシルは古典車輛らしく2段にしてメリハリをつけようと試作を試みました。窓桟の間にキッチリはまり込むように切れ目を入れるのは指物師の仕事みたいで難しく、技術の及ばないところはコッテリパテで埋めるという最終手段に頼らざるを得ません。目立たないところですが、側板のステップ部(戸袋の部分)と中央部の羽目板長さが異なる段差にRを付けて切り取りました。
ウィンドウシルの構造と部品図

制御器ハンドル
 制御器は「起動」「運転」の2段だったところ、日本橋のパーツ屋で買って来たロータリスイッチに交換して「起動」「加速」「運転」の3段になり加速がスムーズになりました。それに伴って電流の変動が小さくなり、無理なノッチ進段でスリップすることもなくなりました。スイッチのツマミでは味気がないので、マスコン風の木製ハンドルを金色(真鍮色)に塗装したものを接着し、雰囲気を盛り上げました。

バッテリーユニット



 バッテリーは最終的に8ユニット直列とし、定格96Vで使用することにしました。満充電だと110V以上になります。電圧が70Vまで低下すると充電済のものと総入れ替えします。一個ずつ扱うのは煩わしいうえに断線・ショートの恐れもあるので、8個のユニットが収まる箱を作って車内に置いておくことにしました。それでも安定がイマイチよろしくないのでもう少し取り扱いやすいものに改良しようと考えています。

 無蓋車を牽引するために連結器を取り付けました。実物は自動連結器ですが、模型の電車で編成物の中間部に使用されるドローバータイプにしました。電車側は端梁にボルトを通して首を振るように取付け、無蓋車のピンにドローバーの穴を引っ掛けるようにしてあります。ドローバーという言葉は昔から聞いたことがありましたが、これを作って初めて語源がおそらく”Draw bar”「牽引棒」だということに気付きました。路面電車が故障した際に救援用電車で牽引するために、両端に穴の空いた棒を差し込んで連結していたことを思い出しました。いずれ鹿部電鉄の車両には見た目も本格的な連結器を装備したいと思っています。実物同様の鋳鋼製というわけにはいきませんが、ナックルが動いて連結・開放ができたら楽しいだろうなぁと考え、各地で保存されている旧型車両の自動連結器を近くで見た時には構造や寸法をメモしたり写真に収めたりしています。

   ドローバー           いずれ自動連結器を

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