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八角電車 以下写真はすべてWikipediaより
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「嵐電の新型車に会わなかったのでよかった」と書きました。炎天下、遠路遥々電車を見に行ったのに新型車を見られなかった、若い頃なら臍を噛む思いだったことでしょう。爺さんになってから電車の好みは懐古趣味の傾向が強くなって、書店の棚に並んでいる「新型電車図鑑」の類を手に取るようなことも全くもって有馬温泉。近年の電車の特に先頭部は奇をてらったとしか思えないような、とてもじゃないが美しいとかうっとりするような形状ではなく、「何じゃこりゃ?」的デザインがはびこっているように感じます。それでも雑誌やネットの新車完成予想図には「カッコイイ」とか「近未来的」などと肯定的な言葉が並んでいるので、美的志向が世間の傾向からずれているのか、世の中の大勢はそういう方向に向いているのか、と少なからず悲しくなります。 |
| スイスレーティッシェ鉄道の昆虫顔 |
且つてはデザイナーが自由な発想で構想図を描き、有識者や一般大衆の意見を取り入れて魅力的な電車が作られていたものです。そういう時代とは違って、安全性を考慮した構造力学や空力特性が導き出すコンピュータの結論は画一であり、それに裏打ちされた法制化もなされているので、デザイナーはその枠の中で個性を強調することしかできなくなっているのでしょう。結果、どれも同じような顔に行きつくか、さもなければ突拍子もない真っ平や真ん丸が出現するのではないかと想像します。コンピュータが導き出したということは世界的にベースが同じなので、海外の列車が一様にいわゆる昆虫顔になったのと国内の電車が下すぼまり顔になったのは同じ理由に依っているのでしょう。 過日鉄研OB会でJR西日本の新快速のデザインが話題になりました。221系。223系、225系(227系)のうち、どのデザインが優れていると思うか(好きか)と問うと、全員が声をそろえて「221」と答えました。塗装か無塗装かというのはさておいて、柔らかい丸み、しかも単一曲率ではなく徐々に変化、窓隅のRの変化しかり、側面と正面のつながり方といい、他の系列にはない柔和さが感じられます。大阪の国電にはなにか且つての流電(モハ52)や半流(モハ43)が優雅な姿を誇っていたのに通じるものがあるように思います。
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| 古いほどエエ感じです |
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| このカーブで胸がキュンとなります |
やっぱりこんな話題で盛り上がるのは爺さんが集まった時だけで、世間の美意識というか美的感覚とは悔しいけれどずれてしまっているのでしょうね。そんな中でもひときわ古い気動車が好きな私は、普通の鉄っちゃんでも興味を持たないキャンバス張りの屋根のカーブ、それもてっぺんから縁部にかけて曲率が変わっていく辺りと最後は側板と不連続に繋がる張り下げ部に痺れるような美しさを覚えるのです。あーもう現代の新型車のデザインを語る資格なんかありません。
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