2024/01/21

待避線(余談雑談) 15インチゲージに思うこと

 15インチゲージ庭園鉄道を作って本当によかったなぁ」とあらためてしみじみ思うことがあります。自分で設計製作した電車を自分で運転して自分で敷いた線路の上を走らせる、こんな夢みたいなことを実現できた人がこの世の中に何人いるでしょうか。もし鉄道会社に運よく採用されて希望通り運転手になっていたとしても、いつもお気に入りの電車を運転できるわけではありません。車両製造会社の設計部門に配属されたからといって勝手な好みの電車を作れるはずもありません。

憧れの電車運転台
 私の場合、模型を作ることでその欲求をある程度疑似的に満たせたようでした。運転に関しては、近年のトレインシミュレータは驚くような進化を見せています。しかし今考えると、いずれも電車に乗り込んでコントローラーとブレーキハンドルを操作した時の実感には遠く及びません。音響や振動、何よりも直の視覚と加速度を感じながらの運転は、他のどんな方法でもそれに代えることができないのです。強いて弱点を言えば1/3スケールでは実物の重厚感に及ばないことでしょうか。もし実物の電車を手に入れて庭で自由に運転することができたら、それはこの上なく楽しいに違いありません。廃止された鉄道の車両を譲り受け、広大な土地に線路を敷き、それらを整備して運転できるように頑張っている人達がいるようです。羨ましいですね。
鹿部電鉄の四季

全部一人でやります
 ただ15インチゲージが実物サイズの鉄道より趣味の対象として優れている点を挙げるなら、車両も線路も全部自分で作れることです。さらにそれが一人で楽しめる限界の大きさであるということです。私の嗜好は、特に鉄道に関して言えば偏狭で拘りが強く、他者と相容れないことが多いため、一人の世界で完結できることは大きな意味を持っています。最初に書いた通り自分だけの意のままの鉄道のオーナーになれる点で、手頃でありながら最高の満足を得られる鉄道趣味だと思います。撮り鉄、乗り鉄、作り鉄と色々ある中でそれらを独り占めする自家鉄と名付けさせてもらいましょうか。

眺めて楽しむこともできます
 自家用鉄道のオーナーになった時、誰しもその鉄道をどう生かしていくかという岐路に立ちます。それまで憧れてきた気持ちと共に車両や線路を大切に維持し続けるか、あるいは近所の子供を招いて社会貢献の手段として利用するかなどの選択肢が思いとして過ぎります。せっかく世にも珍しいミニ鉄道が完成したのだから少しは注目してほしいと願うのは自然な成り行きです。しかし、テレビや新聞で紹介されると大勢の見学者が訪ねてきて困惑する可能性があります。大切な車両が傷ついたり道床の砂利が崩されたり、花壇の植物が荒らされたりすることを考えると黙っていたいようにも思えます。私の場合は、15インチゲージの同好者が興味を持って訪ねられることは大歓迎ですが、単に珍しがって子供連れが乗車目的で来られるといささか戸惑ってしまいます。このことについては早い段階で何を目的に鉄道建設するのか自問して決めておく必要があると思います。最初から一般開放するつもりなら、頑丈な作りにするとか安全を確保する機構を多重装備するなど、それなりの対策を採っておかなければなりません(法律で定められた技術基準があります)




ウチの庭には踏切があります

 目的と併せて目標を定めておくことも大切かと思います。「特定の鉄道や好きな車両の再現」とか、「ガレージと勝手口間の物資運搬用軌道建設」とか、「VVVF駆動装置の試作研究」、「とにかく線路とトロッコ」など、どんな鉄道を作ろうとするのか方向性を決めておくことは重要です。そして「最終形態として自宅を一周する線路を敷設するがとりあえず5m敷設して足掛かりにする」とか、「多種多様な電車を量産するためにまず1両試作してみる」というような最終目標と当面の課題や段階ごとの計画を定めることも大切で、作業にメリハリをつけるマイルストーンになると思います。

 なんだか15インチゲージ起業コンサルタントのアドバイスみたいになってきましたが、一人でも多くの鉄っちゃんが興味を持って「自分にもできそうだ」と一歩を踏み出してもらうことを期待しているわけです。以前に「15インチゲージのすすめ」で投稿した通り(2021/9/282022/2/132022/12/23)、目の前に立ちはだかる用地、費用、技術の壁は実際には恐れるほど高いものではなく、だれでも工夫次第で必ず乗り越えられます。もちろん悩んだり苦労したりということもありますが、大好きな鉄道を我が物にするためだと思えばそれもやがて楽しみに変わっていくはずです。自分で作った列車に乗りこんで好きなように運転できる鉄道を持つこと、こんなに素晴らしくも誇らしい趣味があるでしょうか。

2024/01/09

キハの構体設計

  暖房の効く工房がないので、冬の間は車両の製作作業が出来ません。そこで外の作業ができない期間は設計に没頭することにしています。その題材はたくさんあって、しっかり図面を描いておかないと材料購入や加工の段階で計算や加工のやり直しに迫られることがあります。キハ関連でざっと考えただけでも、台車の付属部品やブレーキ、駆動部、センターピン、車体構体、側窓と扉、屋根等々。新設車庫とその分岐のほかデ1とトについても自動連結器化はずいぶん前から懸案になったままです。全部のケリをつけようとするとまた何の進展もなくなってしまうので優先順位を考えて着手しなければなりません。キハは最終的にはガソリンエンジンで駆動したいと思っていますが、とりあえず来年中に外観が鑑賞に堪えられる状態になるようにしたいので車体の製作を急ぐことにします。

 キハ40000の実物が半鋼製だったことから、当初実物に倣って木製の側板の表面にブリキ板を貼り付けることを考えていました。これは工作が面倒なうえにきれいな仕上りにする自信が持てなかったことから断念しました。そのかわり鋼製の骨組みに木製の側板を貼り付けることで半鋼製車体とします。工作用ヒノキ角材を使って側板の試作をしたところ、想像以上に実感的な側板を製作できたことに起因しています(2023419日「キハの窓試作」参照)

 その鋼製構体は台車用の素材と一緒に購入した30mmの角型鋼管で製作します。定尺は6000mmですが、運搬の都合上3000mmに切断してあります。車両全長が約3.4mあるのでデ1の時のように四隅に柱を立てるには少し寸足らずです。はしご状に組立てた床構体と天井構体を4本の柱でつなぐために、扉のすぐ外側(車端より窓一個分内側)に柱を隠すように配置します。その前後に妻板ユニット、両側面に側板、さらに屋根を被せて車体を構成します。16番のペーパー模型では側板の上下に補強用角材を貼り、妻板と屋根板を組み合わせて箱型にしますが、この15インチゲージ車両は型鋼で作った骨組に板を貼っていく実物の車両製作に近い工法です。もっとも近年は実物も模型と同じ方法が主流になっていると聞いたことがあります。

車体組立構想

 というわけでまず骨組みの詳細設計に取りかかります。こういう構造物は溶接で結合するのが頑丈であり常道なのですが、鹿部電鉄工場には溶接機がありません。t3程度の鋼材溶接ならDIY用の小型機が販売されており、しかも中古品なら手軽な価格で入手できるようです。私は学生時代の実習を含めて何回か簡単な溶接をした経験があるものの、いずれも酷い仕上がりでなかなか自信が持てません。練習を重ねると上手になれるかも知れませんが、手元に溶接機があっても他に使い道を思いつかないので投資する気になれません。そこで鋼材の結合はガセット(補強材)を用いたボルト締結式として設計を進めます。

角型鋼管をボルト締結する構体組立図

2024/01/01

謹賀新年

 時の過ぎる速さは10年歳取るごとに倍になるように感じます。10歳の頃、「大人(20歳)になるのに今まで生きてきたのと同じだけかかるのか」とうんざりしましたが、実際にはそこまで長い年月ではありませんでした。仕事がいやで、「早く定年退職したいけど会社勤めは永遠に続くのではないか」と思い嘆きましたが、振り返ってみるとすんなり自由の身になっていました。64歳で鹿部に移住し趣味三昧の極楽生活が始まって満10年になりますが、これは本当にアッと言う間でした。

 歳取るとトキめきがないから時間が速く過ぎる、と言う説があります。私はこの10年、それまでに経験したことのないような感動を何度も味わったにもかかわらず、やっぱり時が経つのは速かったと思います。苦痛は長く続き、快楽は一瞬で終わるのかもしれません。残り僅かな人生を、少しでも長くじっくり享受したいと思います。



2023/12/21

防雪カバー

吹き込んだ雪が付着しています
 今シーズンすでに何回か雪が降りましたが、デ1にカバーをかけていませんでした。以前に作ったカバーは、粘着テープで貼り合わせたところが剥がれたり破れたりしているので作り直すことにしていたからです。カバーを作るにはリビングのテーブルをどけてビニールシートを広げ、透明粘着テープで貼り合わせなければなりませんが、立ち座りが大儀で身体が硬くなった高齢者にはこれが難行なのです。冬に向けてビニールは買ってありましたが、なかなか着手する気にならず、かと言って放っておいたら車体が傷むのでやっと重い腰を上げたというわけです。

 前回は立体的に車体を覆うように作りましたが、体力を慮って単純な形態にしました。称して「肉屋の店先で揚げたてコロッケを包む紙袋形」です。長方形のシートの三方を粘着テープで貼り付け、残った一方を開いて電車に被せるのです。ポールが前後に出っ張っているのでむしろ理に適った形状です。1.2m幅のシートなので裾の方はチョッとミニスカートみたいになっています。

チョッと丈が短い

 12月も半ばになると冬本番で、連日最低気温が-10近くまで下がります。全国ニュースで「大寒波襲来、北海道は大雪」などと流すものですから、知り合いから「大丈夫?」と気遣いが寄せられます。鹿部は太平洋側に位置するので西高東低の気圧配置ではあまり雪は積りません。爆弾低気圧が通過したり、弱い低気圧でも停滞したりすると太平洋からの吹き込みで一気に数十センチ積ることがあるので厄介です。まぁひと冬に何度もありませんが。


2023/12/17

待避線(余談雑談) こういうの欲しい

  旧型客車の直角椅子を設けた休憩小屋を庭の片隅に作りたいと書きました(2023/6/2)。小屋を建てる代わりに廃車体の一部を運び込めればいいのですが、それは意外に大きいし費用もかかりそうなので現実には無理です。ところが函館市内と鹿部の隣町七飯町に鉄道車両らしき建物が使われている所がありますので紹介します。

 ラーメン店「ブルートレイン」

 湯の川温泉電停の近くに旧国鉄のワフをそのままお店にしているラーメン店があります。そのままと言っても屋根や側面には板が貼り付けられ、デッキ部には階段や玄関?が作りつけてあるので、なんとなく元ワフという感じです。ところが近づいて足元を観察すると、2段リンクの足回りが本物であることを物語っています。また内部には貨車当時の板張り内装が残っています。こちらに移住してきて初めてその名を知った時は「確かに色はブルーやけど、トレインには程遠いなぁ。」と思っていました。しかし何度かその前を通るうちにいつしか羨望を抱くようになってしまっています。

ラーメン ブルートレイン

 喫茶店「COFFEE TIME

 新川町電停から50mほど南東方向(電車通りから直角)に歩くと右手に赤とクリーム色に塗り分けられた車体が目に入ります。塗色に似合わず客車っぽい感じの車両で、店の前の駐車スペースからデッキに入れます。どう考えても鉄道マニアが廃車体を譲り受けたか、鉄道車両を真似た建物を置いたように見えます。ただ実物の客車の形式に思い当たるものがなく、やっぱり作り物らしいなと思いながら一度なかで鉄話をしたいと機会を窺がっていました。過日近くに買い物に行ったついでに入ったところ、外観ほどに店内は鉄っぽさが感じられず、唯一それらしいのはメッキして磨き上げられた犬釘がディスプレイとして壁に飾られていたことぐらいでした。マスターに聞いたところ、彼自身はまったく鉄っちゃんではなく、先代(父親)がオリエント急行好きで開店する時にこのようなデザインにしたのだそうです。オリエント急行ならこの客車も納得です。

喫茶 COFFEE TIME

 花直売所「小松花園」

 函館から鹿部方面に赤松街道(R5号線)を走り七飯町で函館新道に合流する200mほど手前にある花農園の直売所です。私は高速道路(函館新道)の走行が苦手なので函館への往復にはいつもこの道を利用するのですが、ずっと有蓋貨車の廃車体だと思っていました。貨車だと思っていた理由が屋根のカーブで、単一半径の薄い屋根になっていることからして客車や電車の車体断面には見えません。ところがプレスドアの貫通扉(引き戸)の両側の窓はHゴム固定なので電車の平妻連結面を切り取ってきたかのようでもあります。いかにもな形状の縦樋が付いていますが、それは電車なら側面ではなく妻面側にあるはずです。屋根にはガーランド型ベンチレーターが載っていたりするので、スクラップの寄せ集めかなと思っていました。その後色々な写真を調べていて「これだ!」と気づいたのがヨ8000です。前後の庇と側板は切り取られてなくなっていますが、各部にその名残りを見出すことができます。

花直売 小松花園

      ヨ8000     Wikipediaより

 おまけ「函館牛乳」

 函館空港の西方約2km、函館酪農公社の工場に牛と触れ合ったり乳製品を味わったりできる施設があり、そこに元函館市電の1000型(1006)が保存してありました。廃車体の利用ではなく展示してあるだけで、車内に入ることはできませんでした。ビューゲルはなく、台車は1台を縦割りにして片側からのみ見えるようにしてありました。過去形で書いているのは2019年に撤去されたためです。私がそこを訪問したわずか3か月後のことで、好きな車両だっただけに残念です。

函館牛乳(酪農公社)

2023/12/14

待避線(余談雑談) 鉄道模型のスピードについて

  昔から気になっているのですが、鉄道模型が運転される時のスケールスピード(実物換算速度)は速過ぎるのではないでしょうか?曲線部に入るとカクッと曲がって、動画で見てもいかにも模型ですと言わんばかり。市販品は最小曲線半径で脱線転覆しない程度に最大速度が設定されているのではないかと思われます。Nゲージ等小さなスケールほど、またレイアウトが大きいほど、傾向として速く走っているようです。一般的に自作、市販品にかかわらず、全体のバランスや細部に拘ってできるだけ実物のイメージを再現するように作られています。なのに、なぜか時間軸だけが車両やレイアウトのスケールと合っていません。スピードが遅いとエンドレスを廻って手元に戻って来るまで待ち遠しくて、ついついパワーパックのツマミを回してしまうのでしょう。模型に限らず、車を運転していても多くのドライバーが法定速度を越えて走っているように、何か本能的に駆り立てられる心理が働くものなのかもしれません。

鉄道博物館の巨大レイアウト

 鉄道模型では細部に拘って普通の人なら省略してしまうような小さな部材を取り付けたり、車内の天井や床下の裏側も忠実に再現したりなど、いろんな工夫をして実物っぽく見えるように努力する人がいます。小さな軽便鉄道レイアウトで実にゆっくり走る列車やそれに合わせて車体がゆらりゆらりと揺れるギミックを組み込んだ車両を見たことがあります。電圧を下げただけでは動きがぎこちなくなるので、減速ギア比を大きくしてスロー運転が出来るように工夫しているようです。これらは模型の時間軸も忠実にスケールダウンしたように見えますが、実は時間だけを頑なに縮尺しなかった結果であると言えます。

 鹿部電鉄はどうかと言うと、駆動モーターの出力不足により最高速度は約4/hに過ぎません。スケールスピードで12km/hはどう考えても超鈍足です。しかし庭で走っているのを見て遅いと感じたことはありません、むしろ線路の長さ(庭の広さ)、モデルの古さ(見るからにひ弱そう)などに馴染んでちょうど良い速度に見えます。電車の大きさや見る人との距離感、モーターや車輪の奏でる音響などにも調和しているからではないでしょうか。

 と考えると、模型の実スピードを縮尺で割ってスケールスピードを計算してもあまり意味がないように思えてきます。博物館の大レイアウトの列車がスケールスピードに忠実に走ると退屈で仕方ないことでしょう。逆にロムニー・ハイス・ダイムチャーチ鉄道みたいに広大な大地を走る場合を別にして、一般的な庭園鉄道ではわざとゆっくりエンドレスを周るとか、往復運転やスイッチバックをすることでスピードと無縁の、実物では味わえない遊びを違和感なく楽しむことができます。

ひとりスイッチバックごっこ

 それにしても、やっぱりNゲージは速過ぎる。

2023/11/24

YouTubeあれこれ

  庭の冬支度が一段落し、物置に散らかっていたTR27の部材(再分解していました)もカヌー格納庫に収納してしまったし、とにかく寒くなったので外の作業は春までお預けです。YouTubeには一年近く投稿していなかったので、TR27製作中に撮りためていた写真や動画を編集することにし、チョッと訳あってまず英語版を作成しました。3分弱にまとめ、最後はおふざけで終わります。

https://www.youtube.com/watch?v=_iLU5_GfwIM

日本語版は独立回転車輪などの走行抵抗低減機能について、このブログで説明してきた内容に触れようと思っていますのでいずれお楽しみに。

 投稿した後次々と表示される関連動画に目を遣ると、ほとんどが英語または読めそうもない外国語のタイトルが付いているのについ見入ってしまうのですが、その中にOn30の卓上レイアウトがありました。Oスケール(1/45)30インチナロー(762mm)の、アメリカ風森林鉄道、蒸気機関車が木材を積んだトロッコを牽いて複雑に敷かれた線路をゆっくり走ります。シーナリーはもちろん周辺機材や建物、積み荷も凝った形状になっていて作者の拘りが伝わって来ます。毎日飽きずに運転しては機関士になり切ってるんだろうなと目を細めました。

https://www.youtube.com/watch?v=qG-X-f6oGGY

それにしても見たところ1m×50cmくらいのレイアウトじゃやっぱりその内に飽きそうに思えます。おそらくその作者は車両や周辺のストラクチャーにコツコツと手を加え、線路際のガラクタや人形、留置してあるトロッコの位置を毎日のように変化させることで生きた鉄道に仕立て上げているのだと思います。機関士は窓から左手を出しているだけで実際には動いていないけれど、掌を精一杯振っているように見せている(見えている)ことで毎日飽きずに運転を続けることができるのでしょう。

 そのレイアウトを45 (Oスケールの逆数) するとほぼ我が家の敷地と同じくらいの大きさになるのですが、我が身に照らすと毎日見て運転して飽きることはありません。ただ線路の上を往復するだけでも充分心満たされるし、車両や線路の傷んだ所を修理するのも楽しいものです。買い物から帰ってきてトに雑貨を満載して母屋まで運ぶと、意図しなくても積み荷はその都度変わるわけで、こんな小さな路線でも鉄道本来の使命を果たしていると思えて嬉しくなります。

 自家用軌道をお持ちの“原物合わせは基本ですチャンネル”さんが最近自宅軌道を森林鉄道と称してYouTubeに投稿されました。

https://www.youtube.com/watch?v=ey3y53FyhJ0

庭の奥の植木を剪定した後、手動トロッコで枝葉を広い場所まで運び出す様子が撮影されています。曰く「大量輸送は鉄路の得意分野」「引きずって来るよりなんぼか楽しい」。そうです「自分ン家に鉄道があると便利だ」なんていうのは単なる方便で、わざわざトロッコに積み替えてわずかな距離を運んでも少しも楽ではありません。その代りそれはメチャクチャ楽しい、家に線路のある人にしか味わえない至上の喜びを感じることができます。“原物合わせ・・・”さんは「飲み終わりの酒瓶の運搬が主です」と自慢げにおっしゃいますが、キッチンから酒瓶をわざわざトロッコに積んで表まで運ぶ姿を羨ましいと思う人なんかいませんよね。しかしもし、わずかでも感じるものがあるようなら自家用鉄道のオーナーになる資格があると思います。