金属材料などにネジを切る工具をタップと呼びます。一般的にネジ切りは機械加工によりますが、DIYではハンドタップが一般的です。呼び径の約80%径の下穴にタップ先端を差し込み、押し気味にハンドルを回すと雌ネジが削られていきます。
中学校の技術家庭科の授業で先生が実演して見せてくれたのを覚えています。「半回転廻したら1/4回転戻して、また半回転する。」その時はなぜ1/4回転戻すのかわかりませんでした。就職して現場実習の時に職場長が同じことを説明してくれてその通りにするとアルミ合金製の大きな部材にネジ加工ができました。その時わかった1/4回転戻す理由は、時々戻してやらないことにはハンドルが重くなってタップを廻し続けることができないからでした。ところが最近手にしたタップは戻さなくてもどんどん廻せる優れものです。こういうものが半世紀前にあったのかどうか知りませんが、何年か前に知り合いから譲り受けたガラクタ工具類の中に混ざっていたので試しに使ってみたのでした。
左ストレートタイプハンドタップ 右スパイラルタップ それぞれM6×1(呼び径×ピッチ)とM5×0.8 |
ストレートタイプのハンドタップは一回転も廻すと切りくずが詰まってハンドルが動かなくなってしまうのに対して、スパイラルタップはらせん状の溝に沿ってそれが排出されるので連続的に加工ができるということを初めて体験して知った次第、機械技術者としてはチト恥ずかしい話です。一方向に廻し続けられるだけでなく、下穴に対する食いつきが良く、母材表面との直角度の保持も容易で作業能率が格段に高いと感じました。ただ芯の径がやや小さく、無理をすると折れやすいので注意深く作業する必要があるとのことです。キハの鋼製構体製作には数多くのタップ加工が控えており、能率向上が大いに期待されます。
動画の後半にスパイラルタップが登場します。
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