2023/04/19

キハの窓試作

  デ1の木造車体の腰羽目板は、150枚近くの部材を何日もかけて斜向かいの家具工房「わ」で加工してもらいました。キハ40000の車体はその時の経験を生かして効率よく製作できるように工夫を凝らしたうえに、デ1にはなかった2段窓(下段上昇式)をできるだけ忠実に再現したいと思っています。ホームセンターで入手できる工作用ヒノキ角材は、2mm×2mmを最小断面寸法として長さ910mmで各種厚さと幅が揃っています。所要の寸法がなければ大きめの材料からカンナで削ることが可能です。幕板や腰板のように厚さと幅がさらに大きい部材は貼り合わせることで対処できますし、最後は家具工房に頼み込めばどうにかなりそうです。

工作用ヒノキ角材             所定の寸法に切断接着

 キハの窓構造を寝床で考え始めると覚醒して眠れなくなる場合と頭の中が混沌としてすぐに眠りに落ちてしまう夜があることは過日ここに書きました。半分は夢の世界なのでどんなにいいアイデアを思いついても翌日には何も残っていません。やはり図面にして具体的な構造を決定しなければなりません。ただ図面は描けても実際に組立が出来ないいわゆる地獄構造になっていたり、直角や寸法の調整が難しいとか接着部の加圧ができなかったりということがないか、等々製作上の問題をクリアーにするために実寸(もちろん実物の1/3)で窓部分を試作してみることにしました。こうすることで大宮の鉄道博物館で実測した寸法通りに作った場合に気動車の軽量車体の質感が表現できるかという確認もできるのではないかと思った次第です。睡眠時間が安定すれば健康管理にも役立ちます。ついでにリベットの大きさや塗料の色感なども車体製作前に確認できるだろうと考えました。当初考えていたブリキかトタンで半鋼製にする案は面倒なばかりでメリットがなさそうなので止めることにしました。

夢うつつの具現化

 試作は窓2個分、2段窓部と戸袋部を作りました。後者は同一寸法ながら上下ガラスが面一になっています。2個の窓を図面通りに組み立てることはできましたが、ズラリと並んだ窓を手際よく直角に接着する方法を考えなければならないのは本番までの課題です。一方で部材の切断には手鋸を使用したので寸法が不正確になり、突き合わせ窓枠にスキマが空いてしまいました。チップソーに治具をセットして量産すれば正確な切断ができるはずなのでパテのお世話にならずに済みそうです。塗装を済ませた試作窓を眺めるとなかなかの出来映えで、キハ40000の実物写真と見比べて窓枠やガラスの凹み具合もちょうど良い感じです。鉄博に展示保存されていた老車体が歪みまくっていたのでどちらかというとスッキリしすぎて新製時の姿を再現したかのように見えます。色調は手元の塗料を使ったので青、クリームともに明るくなってしまいました。

試作窓の完成品
 数が多くて着手前はかなり面倒だろうと懸念していたリベットは、3mmなべタッピンネジを電動ドライバーで植え込みました。丸いねじ頭径がφ5、実寸はφ15なのでピッタリです。小さな模型ではどうしてもオーバースケールになってしまうリベットが実に簡単正確に表現できるのは15インチゲージならではのメリットだと今さらながらに感心しました。

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