防水加工を待つ |
屋根にFRP処理をする前に車体から屋根ユニットを取り外し、低め(60~70cm)のテーブルに載せます。車体に樹脂が付着するのを防止するためと作業の視認性をよくするためです。ダブルルーフの側面はマスキングしておきます。樹脂主剤に硬化剤を混合すると約5分でドロドロのコンニャク状になって刷毛で塗り延ばすことができなくなるので、何人かで手分けして一気に塗るか、一人で塗る場合は何分割かする必要があります。私は三分割してグラスクロスの端を指で押さえながら刷毛で樹脂を塗りましたが、幅のあるローラーで素早く塗り広げるのがいいと後で教えられました。硬化は化学反応で発熱を伴うため、紙コップの中に残った樹脂から煙が出ていました。薄く塗り広げた場合は表面から熱が発散しますが、塊の場合は蓄熱するようで手で触れないくらい熱くなっていました。この工程は写真を撮る余裕がなかったので画像がありません。
一昼夜硬化させてから電動サンダーで表面を仕上げます。グラスクロスの重なった部分、樹脂の塗り重なった部分、樹脂が不十分でグラスクロスの織り目が露出している部分などが目立たなくなるように#80と#240を使い分けます。やはり後で教えられたのですが、私はここで気を付けなかったために地獄に落ちることになりました。サンダーで削り取られたグラス繊維が飛散し、袖口や襟から作業服の中、肌着の中に微細な棘が入り込んできていたのでした。その時すぐに痒みでもあれば気を付けることができたのですが、チクチクと痛むのは作業が終わってから。それがグラスクロスのせいだとわかったのは翌朝のことでした。痛みのある場所を探しても元凶を見つけることはできず、仮に見つけたとしても幾千もの棘を抜き去ることなどできません。シャワーで洗い流しても効果はなく結局数日間、悶々とチクチク痛みに耐えるしかありませんでした。この作業の際には使い捨ての紙製ツナギ作業服を着て裾、袖、衿をガムテープで密封、ゴム手袋を着け、フードを被り、花粉対策メガネと防塵マスクをお忘れなく。
表面はある程度滑らかに仕上がっていれば及第点です。実物の車両でもキャンバス張りの屋根はデコボコしているものです。所々に織り目が残っていてもよしとしました。ただし、屋根と雨樋の間で樹脂が充分に回っていない箇所があったのであらためて樹脂を流して防水処理をしました。ダブルルーフの縁からはみ出して固まったグラスクロスは切り落としてヤスリか電動サンダーで仕上げておきます。
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