2024/05/08

6kgレール終わった

  15インチゲージの線路にはJIS規格(E 1103)で定められた最も軽量の6kgレールを使用しています。JIS規格で決められているのだからどこにでもある、いつまでもあると信じていたところ、ある日ネット上で6kgレールがなくなるとの記述を見ました。悪い冗談だと思いながらも気になったので複数の販売元に問い合わせたところ、すでに生産終了していて在庫もないとの回答が返って来ました。

2014年に購入した6kgレール
 実は手持ちのレールが残り1本になっていたので、エンドレスを全通させるために20本(線路長で55m分)手配しようと見積りまで取っていました。ところが当面キハ40000の製作に注力するため発注は先送りしていたのです。生産終了になることがわかっているなら見積回答時にひと言添えてくれてもよさそうに思うのですが覆水盆に返らず、どこかに在庫が残ってないか電話やメールで探すことにしました。最初にも書いた通り規格があってそれなりの需要があり、流通していると思っていたのに、やっと得た情報でも辛うじて数本どまりでした。ただこんな状況でかき集めても運賃ばかり高くついて現実的な解決には結びつきません。

 いよいよ6kgレールが入手できなかった場合は9kgレールで代替するかと腹を括りました。9kgレールの高さは63.5mm(6kgは50.8mm)、踏面の幅は32.1mm(同25.4mm)で見た目の違いは目立つほどではありません。ただし重量は1.5倍、5.5mの定尺で約50kgあるので曲げたり運んだりするには危険と人力の限界が立ちはだかります。半分の長さにすると扱い易くはなる代わりに、切ったり繋いだりの手間が増えます。6kgと9kgの継ぎ目の処理を考えなければなりません。レールベンダーの形状を変更するかもう一台作ることになるかもしれません。いつもの悪い癖で考えだすと眠れなくなってしまいます。

重量物の人力運搬には危険が伴います

 そんなところに朗報が飛び込んできました。ごく最近知り合いになった15インチゲージャーから「海外向け仕様の6kgレールの在庫情報があるが、少量販売してもらえないか交渉中」とのこと。探しても見つからないのにあるところには捌ききれないくらいの量が眠っているもので、しかも引き取り先がなければ再溶融してリサイクルされるのだとか。それはなんとしてでも手に入れたい、少々割高でもと考えていたにもかかわらずm当たりの単価は相場より3割以上安い、ただし千葉の工場経由になるので輸送費は高くなりそう。といささかの不安が残るものの、製造元の大阪製鉄および取扱商社である島田商会と交渉を続けてもらいました。よく聞くと、一本の長さは9.1m(30フィート)、継目穴のピッチがJIS規格と異なる(どうせ切って使うので「そんなの関係ねぇ」)、32本単位での販売が必須条件とのことでした。結局9.1mを5.5+3.6mに分割し、私が3.6mを、相手方が5.5mを各32本引き取ることで決着しました。3.6mは体力的に考えて私にとっては大変都合よく、全長も当初必要としていた量とほぼ同じです。先行して大量に仕入れていた6kg用ペーシとモール(継ぎ目板/ボルト)も無駄にしなくて済みます。ということで鹿部電鉄における6kgレールパニックは願ってもない幸運な結果に終息し、あとは着荷(6月)を待つばかりとなりました。

 今後15インチゲージ鉄道を新たに開設する場合は9kgレールを使用することになります。重い、曲げにくい、高くつくというデメリットは避けられませんが、最初からやるなら致命的な問題ではありません。既に6kgレールで敷設された線路に増設延長する場合は、上に書いたように継ぎ目やレールベンダー改造等の工夫が必要になります。

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