2022/01/22

妄想トレイン 続編

  後編を書いて終わろうと思っていましたが、妄想が止まらないので続編を記します。D1040もキハ40000も気動車なので動力にエンジンを使ってはどうか、とこれは15インチゲージ鉄道を始めようと最初に考えた時から小型ガソリンエンジンが念頭にありました。もちろんその時は動力の伝達方法まで気が回っていませんでしたけど。内燃機関を動力源とする場合必ず考えないといけないのが変速機とクラッチ、逆転機のことです。小型バイクの部品を流用したと思われる(あくまでも想像です)モデルを見たことがあるので絶対に不可能というわけではありません。ただ、ちょうど良い部品が見つかったとしてもそれらを流用するために周辺部品を自作するのは費用、技術(道具、設備)、運用面でかなりの無理があるだろうと思われます。でも妄想するだけなら自由だし、お金も要りません。

線路脇の草刈り
 北海道の田舎に移住して色々な初体験をしましたが、その内の一つが庭の草刈りです。フキ、イタドリ、スギナ、タンポポやイネ科の雑草が短い夏に生命力を爆発させるかの如く、刈っても刈っても成長してきます。2サイクルエンジンの付いた肩掛け式草刈り機で刈り払うのが、冬の雪かきと同様にこの地での日課です。時々エンジンの清掃や調整で簡単な分解修理をすることもあるのでその構造はだいたいわかりました。数万円出せば新品が買えるし、汎用エンジン単体の販売もされています。実は農業用品の販売店で修理の請負をしているようなところがあって、そういう店裏の作業場へ行けばポンコツが転がっているので、事情を話せば選り取り見取りタダで分けてもらうことができるかも知れません。

 草刈り機は、エンジン起動と同時に回転刃が動き出すと危ないので、出力軸に遠心クラッチが内蔵されています。スロットルレバーを最小位置にしておけばクラッチが切れて軸は回転せず、レバーを引いてエンジンの回転数がある程度上がると出力軸が連れ回りを始めます。ただ、ガソリンエンジンの回転数-トルク特性と車両の走行特性がマッチするかが問題です。つまり一般論ですが、ガソリンエンジンからトルクを取り出せる回転数範囲(クラッチが繋がってから最大まで)は車両運転に要求される回転数より狭く、変速ギアやトルクコンバーターに類する機構を介してトルク特性を改善することが必要になってきます。この問題を解決するため、さらに妄想が膨らみます。

ディーゼルエレクトリックDF200
 我が家の裏には函館本線が走っていてまさに北海道の頸動脈、今や旅客輸送は風前の灯ですが、貨物輸送は頼もしくもその大役を担っていて” Red bear DF200”が先頭に立って毎日幾多のコンテナを満載した重量列車が函館方面へ勾配を駆け上って行きます。このDF200はディーゼルエレクトリックと呼ばれ、エンジンで発電機を回しモーターで動輪を駆動する電気式ディーゼル機関車です。ヒントはここにありますが、全く同じ方式ではありません。あくまでD1040かキハ40000の運転方法に似せた取り扱いで動かしたいと拘っています。キハ40000の場合は手前に引けばエンジンの回転数が上昇するスロットルレバーがあり、クラッチペダルとチェンジレバーで変速し、戻したスロットルをもう一度引くという動作を4(4)繰り返して加速していきます。つまり電車の加速と同じようにモーターと直列に接続した抵抗を抜くためにわざわざ疑似的に変速操作をするという実に面倒臭いことを企んでいます。D1040では電車のそれに似たコントローラーで3段加速し、充分な速度に達したら一旦ノッチオフにしてから変直切替レバーを「直」に入れ、再びフルノッチに戻して最高速まで加速することにすれば計4段となり、キハと同じ仕組みで動かすことができます。あとは運転台の機器(スロットルやコントローラー)を車種に合わせてそれらしく作れば楽しく運転できることになります。
キハ40000の動力伝達概念図

D1040運転台 床には足踏みブレーキもある                    
      コントローラー主ハンドルの右側(運転手から見て)が変直切替、左が前後切替
札幌市交通資料館
 下の実験動画をごらんください。同型のDCモーターの端子を互いに接続した状態で一方の軸を回転させると、発生した電力で他方のモーターが回転します。もうお分かりいただけると思いますが、エンジンで一方のモーターを動かして他方のモーターで車輪を駆動すれば車両が動くわけです。ただ単純にそうしただけでは過電流や速度の頭打ちが懸念されるので発電機とモーターの間に抵抗を入れ、速度に応じてそれを抜いていくという電車の制御と同じ方法をとるわけです。キハではチェンジレバーの位置で抵抗値が変わるようにし、D1040ではコントローラーのノッチでそれを行います。接点の切替だけで前後進が簡単にできるのも電車と同じです。

 ガソリンエンジンの回転を直接機械的に車輪に伝達する代わりに発電機とモーターを使うことであまり手間やコストを掛けずに気動車を製作することができそうです。悩みは2サイクルエンジンの甲高い排気音をなんとか腹に響くようなディーゼルエンジンの低音に変えることができないか、太鼓の皮を共鳴箱に貼り付けてエンジン軸に取り付けたバチで「ドドドド」と叩くのはどうかとか、またとめどない妄想が広がります。

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