鹿部電鉄の建設製作作業からずいぶん長く遠ざかっていてやっとキハの製作に復帰できそうになったところでまた躓いてしまったのは既報の通りです。キハの製作に関する投稿は1年ぶりで、作業にかかれる時間を探しながらペースを落としてコツコツと進めてきました。
前にも触れた通り当初の計画ではt3のヒノキ工作材を貼り合わせて扉を形成するつもりでした。強度的な不安があったのと幅広薄板のコストが気になったので、側板と同じt12の板を日の字に組み立てトリマーで6㎜削り込んだ段差に窓枠をはめ込む構造に変更しました。2024/11/21の投稿記事写真には扉が取り付けられていませんが、一年がかりでここに改良型扉が貼り付けられました。仕上がりは他の窓と同じ寸法ですが、かなり頑丈になったと思います。この扉は側板ごとヒンジで構体に取り付けて車体外側に開くようにするため、強度を持たせることが必要になるわけです。
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t12の扉枠にt3の窓枠をはめ込む構造に設計変更しました |
上には「日の字に組み立て」と書いていますが、実際にはあらかじめ部材の段階で段差の加工を行っておいてから組み立てます。段差加工の端部に残るR除去および寸法調整は手ノミで行い、四角形の凹部にt3の窓枠および桟を接着するわけですが、組み上がった日の字型枠は微妙な寸法や形状の差が生じているので窓枠は一個ずつ実際の寸法を確認しながら隙間ができないように接着していきます。接着の際にはシリコンオイルをコーティングしたヤトイを用いて直角に組み立て、接着剤が硬化してからヤトイを外します。こういう細かい作業の仕上がりには性格が表れるので恥ずかしい限りです。腰板部は窓枠の代わりにt3の耐水ベニヤ板をはめ込みます。 |
段差加工を施した扉枠材料(左)をシリコンコーティングしたヤトイにねじ固定して接着
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組み上がった扉 側板に取り付けた扉 窓部拡大 |
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刃物の回転方向と送り方向 |
段差加工に関しては初歩的な失敗をしてしまったので少し触れておきます。トリマーの使い方は我流で進めていましたが、なかなか所定の寸法通りに加工できないばかりか切残し(ヒゲ、ケバ)が発生してみっともない仕上がりになっていました。さらにはビット(刃物)が発熱して黒く変色し全然切れなくなってしまいました。取扱説明書やネットの記事を読み直して正しい使用方法を調べたところ、これは極めて基本的なことで刃先の回転による切削方向にトリマーを移動させることが必須であることがわかりました。端的に言えば図示の通りで、切削抵抗がある方向に押して進めると削れるが、刃先の回転反力に押されるままに動かすと削れないどころか摩擦熱が発生して刃物も被削材も焦げてしまいます。
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木工用トリマービット(左)と 金属用フライスエンドミル(右) |
もう一つ災い転じて福と為す類ですが、熱でナマってしまったビットは金属加工(フライス盤)用のエンドミルに買い換えました。寸法は全く互換で、金属切削用なので耐熱性が高く切れ味も問題ありません。さらに良いのは需要が桁違いなので価格が1/3(3本入りで同価格)である点です。この作業が終わると消耗もなくなるので余ってしまいそうですが。
扉ができたので次は屋根の加工が待ち受けています。ところが、過日通過した台風によって車庫(駐泊所)の屋根板が吹き飛ばされてしまったのでその前に補修しなければならなくなってしまいました。秋はどんどん深まり、屋外作業もやり辛くなってきました。冬支度も待っています。