旧型客車の直角椅子を設けた休憩小屋を庭の片隅に作りたいと書きました(2023/6/2)。小屋を建てる代わりに廃車体の一部を運び込めればいいのですが、それは意外に大きいし費用もかかりそうなので現実には無理です。ところが函館市内と鹿部の隣町七飯町に鉄道車両らしき建物が使われている所がありますので紹介します。
ラーメン店「ブルートレイン」
湯の川温泉電停の近くに旧国鉄のワフをそのままお店にしているラーメン店があります。そのままと言っても屋根や側面には板が貼り付けられ、デッキ部には階段や玄関?が作りつけてあるので、なんとなく元ワフという感じです。ところが近づいて足元を観察すると、2段リンクの足回りが本物であることを物語っています。また内部には貨車当時の板張り内装が残っています。こちらに移住してきて初めてその名を知った時は「確かに色はブルーやけど、トレインには程遠いなぁ。」と思っていました。しかし何度かその前を通るうちにいつしか羨望を抱くようになってしまっています。
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ラーメン ブルートレイン |
喫茶店「COFFEE
TIME」
新川町電停から50mほど南東方向(電車通りから直角)に歩くと右手に赤とクリーム色に塗り分けられた車体が目に入ります。塗色に似合わず客車っぽい感じの車両で、店の前の駐車スペースからデッキに入れます。どう考えても鉄道マニアが廃車体を譲り受けたか、鉄道車両を真似た建物を置いたように見えます。ただ実物の客車の形式に思い当たるものがなく、やっぱり作り物らしいなと思いながら一度なかで鉄話をしたいと機会を窺がっていました。過日近くに買い物に行ったついでに入ったところ、外観ほどに店内は鉄っぽさが感じられず、唯一それらしいのはメッキして磨き上げられた犬釘がディスプレイとして壁に飾られていたことぐらいでした。マスターに聞いたところ、彼自身はまったく鉄っちゃんではなく、先代(父親)がオリエント急行好きで開店する時にこのようなデザインにしたのだそうです。オリエント急行ならこの客車も納得です。
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喫茶 COFFEE TIME |
花直売所「小松花園」
函館から鹿部方面に赤松街道(R5号線)を走り七飯町で函館新道に合流する200mほど手前にある花農園の直売所です。私は高速道路(函館新道)の走行が苦手なので函館への往復にはいつもこの道を利用するのですが、ずっと有蓋貨車の廃車体だと思っていました。貨車だと思っていた理由が屋根のカーブで、単一半径の薄い屋根になっていることからして客車や電車の車体断面には見えません。ところがプレスドアの貫通扉(引き戸)の両側の窓はHゴム固定なので電車の平妻連結面を切り取ってきたかのようでもあります。いかにもな形状の縦樋が付いていますが、それは電車なら側面ではなく妻面側にあるはずです。屋根にはガーランド型ベンチレーターが載っていたりするので、スクラップの寄せ集めかなと思っていました。その後色々な写真を調べていて「これだ!」と気づいたのがヨ8000です。前後の庇と側板は切り取られてなくなっていますが、各部にその名残りを見出すことができます。
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花直売 小松花園 |
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ヨ8000 Wikipediaより |
おまけ「函館牛乳」
函館空港の西方約2km、函館酪農公社の工場に牛と触れ合ったり乳製品を味わったりできる施設があり、そこに元函館市電の1000型(1006)が保存してありました。廃車体の利用ではなく展示してあるだけで、車内に入ることはできませんでした。ビューゲルはなく、台車は1台を縦割りにして片側からのみ見えるようにしてありました。過去形で書いているのは2019年に撤去されたためです。私がそこを訪問したわずか3か月後のことで、好きな車両だっただけに残念です。
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函館牛乳(酪農公社) |