2023/12/21

防雪カバー

吹き込んだ雪が付着しています
 今シーズンすでに何回か雪が降りましたが、デ1にカバーをかけていませんでした。以前に作ったカバーは、粘着テープで貼り合わせたところが剥がれたり破れたりしているので作り直すことにしていたからです。カバーを作るにはリビングのテーブルをどけてビニールシートを広げ、透明粘着テープで貼り合わせなければなりませんが、立ち座りが大儀で身体が硬くなった高齢者にはこれが難行なのです。冬に向けてビニールは買ってありましたが、なかなか着手する気にならず、かと言って放っておいたら車体が傷むのでやっと重い腰を上げたというわけです。

 前回は立体的に車体を覆うように作りましたが、体力を慮って単純な形態にしました。称して「肉屋の店先で揚げたてコロッケを包む紙袋形」です。長方形のシートの三方を粘着テープで貼り付け、残った一方を開いて電車に被せるのです。ポールが前後に出っ張っているのでむしろ理に適った形状です。1.2m幅のシートなので裾の方はチョッとミニスカートみたいになっています。

チョッと丈が短い

 12月も半ばになると冬本番で、連日最低気温が-10近くまで下がります。全国ニュースで「大寒波襲来、北海道は大雪」などと流すものですから、知り合いから「大丈夫?」と気遣いが寄せられます。鹿部は太平洋側に位置するので西高東低の気圧配置ではあまり雪は積りません。爆弾低気圧が通過したり、弱い低気圧でも停滞したりすると太平洋からの吹き込みで一気に数十センチ積ることがあるので厄介です。まぁひと冬に何度もありませんが。


2023/12/17

待避線(余談雑談) こういうの欲しい

  旧型客車の直角椅子を設けた休憩小屋を庭の片隅に作りたいと書きました(2023/6/2)。小屋を建てる代わりに廃車体の一部を運び込めればいいのですが、それは意外に大きいし費用もかかりそうなので現実には無理です。ところが函館市内と鹿部の隣町七飯町に鉄道車両らしき建物が使われている所がありますので紹介します。

 ラーメン店「ブルートレイン」

 湯の川温泉電停の近くに旧国鉄のワフをそのままお店にしているラーメン店があります。そのままと言っても屋根や側面には板が貼り付けられ、デッキ部には階段や玄関?が作りつけてあるので、なんとなく元ワフという感じです。ところが近づいて足元を観察すると、2段リンクの足回りが本物であることを物語っています。また内部には貨車当時の板張り内装が残っています。こちらに移住してきて初めてその名を知った時は「確かに色はブルーやけど、トレインには程遠いなぁ。」と思っていました。しかし何度かその前を通るうちにいつしか羨望を抱くようになってしまっています。

ラーメン ブルートレイン

 喫茶店「COFFEE TIME

 新川町電停から50mほど南東方向(電車通りから直角)に歩くと右手に赤とクリーム色に塗り分けられた車体が目に入ります。塗色に似合わず客車っぽい感じの車両で、店の前の駐車スペースからデッキに入れます。どう考えても鉄道マニアが廃車体を譲り受けたか、鉄道車両を真似た建物を置いたように見えます。ただ実物の客車の形式に思い当たるものがなく、やっぱり作り物らしいなと思いながら一度なかで鉄話をしたいと機会を窺がっていました。過日近くに買い物に行ったついでに入ったところ、外観ほどに店内は鉄っぽさが感じられず、唯一それらしいのはメッキして磨き上げられた犬釘がディスプレイとして壁に飾られていたことぐらいでした。マスターに聞いたところ、彼自身はまったく鉄っちゃんではなく、先代(父親)がオリエント急行好きで開店する時にこのようなデザインにしたのだそうです。オリエント急行ならこの客車も納得です。

喫茶 COFFEE TIME

 花直売所「小松花園」

 函館から鹿部方面に赤松街道(R5号線)を走り七飯町で函館新道に合流する200mほど手前にある花農園の直売所です。私は高速道路(函館新道)の走行が苦手なので函館への往復にはいつもこの道を利用するのですが、ずっと有蓋貨車の廃車体だと思っていました。貨車だと思っていた理由が屋根のカーブで、単一半径の薄い屋根になっていることからして客車や電車の車体断面には見えません。ところがプレスドアの貫通扉(引き戸)の両側の窓はHゴム固定なので電車の平妻連結面を切り取ってきたかのようでもあります。いかにもな形状の縦樋が付いていますが、それは電車なら側面ではなく妻面側にあるはずです。屋根にはガーランド型ベンチレーターが載っていたりするので、スクラップの寄せ集めかなと思っていました。その後色々な写真を調べていて「これだ!」と気づいたのがヨ8000です。前後の庇と側板は切り取られてなくなっていますが、各部にその名残りを見出すことができます。

花直売 小松花園

      ヨ8000     Wikipediaより

 おまけ「函館牛乳」

 函館空港の西方約2km、函館酪農公社の工場に牛と触れ合ったり乳製品を味わったりできる施設があり、そこに元函館市電の1000型(1006)が保存してありました。廃車体の利用ではなく展示してあるだけで、車内に入ることはできませんでした。ビューゲルはなく、台車は1台を縦割りにして片側からのみ見えるようにしてありました。過去形で書いているのは2019年に撤去されたためです。私がそこを訪問したわずか3か月後のことで、好きな車両だっただけに残念です。

函館牛乳(酪農公社)

2023/12/14

待避線(余談雑談) 鉄道模型のスピードについて

  昔から気になっているのですが、鉄道模型が運転される時のスケールスピード(実物換算速度)は速過ぎるのではないでしょうか?曲線部に入るとカクッと曲がって、動画で見てもいかにも模型ですと言わんばかり。市販品は最小曲線半径で脱線転覆しない程度に最大速度が設定されているのではないかと思われます。Nゲージ等小さなスケールほど、またレイアウトが大きいほど、傾向として速く走っているようです。一般的に自作、市販品にかかわらず、全体のバランスや細部に拘ってできるだけ実物のイメージを再現するように作られています。なのに、なぜか時間軸だけが車両やレイアウトのスケールと合っていません。スピードが遅いとエンドレスを廻って手元に戻って来るまで待ち遠しくて、ついついパワーパックのツマミを回してしまうのでしょう。模型に限らず、車を運転していても多くのドライバーが法定速度を越えて走っているように、何か本能的に駆り立てられる心理が働くものなのかもしれません。

鉄道博物館の巨大レイアウト

 鉄道模型では細部に拘って普通の人なら省略してしまうような小さな部材を取り付けたり、車内の天井や床下の裏側も忠実に再現したりなど、いろんな工夫をして実物っぽく見えるように努力する人がいます。小さな軽便鉄道レイアウトで実にゆっくり走る列車やそれに合わせて車体がゆらりゆらりと揺れるギミックを組み込んだ車両を見たことがあります。電圧を下げただけでは動きがぎこちなくなるので、減速ギア比を大きくしてスロー運転が出来るように工夫しているようです。これらは模型の時間軸も忠実にスケールダウンしたように見えますが、実は時間だけを頑なに縮尺しなかった結果であると言えます。

 鹿部電鉄はどうかと言うと、駆動モーターの出力不足により最高速度は約4/hに過ぎません。スケールスピードで12km/hはどう考えても超鈍足です。しかし庭で走っているのを見て遅いと感じたことはありません、むしろ線路の長さ(庭の広さ)、モデルの古さ(見るからにひ弱そう)などに馴染んでちょうど良い速度に見えます。電車の大きさや見る人との距離感、モーターや車輪の奏でる音響などにも調和しているからではないでしょうか。

 と考えると、模型の実スピードを縮尺で割ってスケールスピードを計算してもあまり意味がないように思えてきます。博物館の大レイアウトの列車がスケールスピードに忠実に走ると退屈で仕方ないことでしょう。逆にロムニー・ハイス・ダイムチャーチ鉄道みたいに広大な大地を走る場合を別にして、一般的な庭園鉄道ではわざとゆっくりエンドレスを周るとか、往復運転やスイッチバックをすることでスピードと無縁の、実物では味わえない遊びを違和感なく楽しむことができます。

ひとりスイッチバックごっこ

 それにしても、やっぱりNゲージは速過ぎる。