2022/04/06

妄想その後

  今年の冬、札幌は大雪で連日列車運休のニュースが全国的に流されたこともあって知人から「大丈夫か?」と心配の電話が頻繁にかかって来ました。太平洋に面した鹿部は例年になく穏やかで雪かきに忙殺されるようなことはありませんでした。とは言え感染症が怖くてスキーには行かず、買い物のための外出も最小限に抑え、専ら家でパソコンを操りながら春の到来を待っていました。

 妄想トレインはD1040よりキハ40000に傾き、窓割りの詳細をメーカー(日本車両)図面から読み取って1/3の縮尺に落とし込む作業を楽しみました。寸法を割り出すだけではなく、材料や補強構造を考えながら、当時の超軽量設計の車体イメージを損なうことなく安全性や耐久性を確保する方法や、どうやって車内に乗り込んで運転するか(乗降トリックを考えるのは楽しい!) など、色々と思いを巡らせました。同様にTR27型帯鋼組立菱枠台車の1/3スケール設計も進めました。溶接や複雑な機械加工を必要としない構造で作れそうであることも確認できました。庭の雪がなくなったら新線の路盤工事に着手しなければならないのでいつまでも妄想に耽るわけにはいきません。とりあえずここまでのまとめをすべく、車体と台車の図面を仕上げてブログ報告させていただきます。

キハ40000鹿部電鉄バージョン
窓他の詳細寸法
 まず車体というか全体図です。急曲線の鹿部電鉄に導入するにあたって全長をスケールから窓
2個分短縮して約3.4mにします(参考までにデ1の全長は約2.5m)。実物で言うと11.6→10.3mとなり、窓配置は1D8D1です。キハ40000は兄貴分のキハ41000(全長約16.5m)から3.9m短縮されたにもかかわらず動力装置を流用したこともあって、床下面積が不足するために台車の軸距を短くするとともに車端に寄せてあり、独特の雰囲気を醸しています。2021年12月29日投稿の「妄想トレイン前編」を参照ください。オーバーハングがほとんどなくなり、運転手は足の置き場がありませんので正座するか脚を伸ばして運転せざるをえません。またせっかく車体を縮めたのに台車心皿間距離が長くなって急曲線の通過に支障が出る恐れがあります。鹿部電鉄では床下面積の制約がないので逆に台車を思いっきり中央に配置して曲線通過を優先することにします。図の左側運転台の下にある四角形は運転手の足置き場(クラッチペダル、変速レバー設置場所)です。車長が短いのにオーバーハングが大きいのは昔の地方私鉄にあったゲテモノっぽい感じがあり、それはそれでいいかなと思います(個人の感想です)。車体側板や窓枠は、デ1では10mm厚のクリ材を使用しましたが、キハ40000では5mm厚の杉または松材を使おうかと考えています。古い写真ではウィンドウシル・ヘッダーや窓の凹みが見るからに小さく、全体にのっぺりしています。16番模型で普通の車両は0.5mmのボール紙で作るところ、この種の車体は0.3mmのケント紙を使用していましたし、真鍮車体でもエッチングの凹みを0.2~0.3mmくらいにしていたように思います。図面検討では窓の凹み具合まで正確にわからないので、鉄道博物館か各地の保存車で実測することも視野に入れて最終仕様を決めたいと思っています。まだ妄想の段階ですから。

TR27鹿部電鉄バージョン

 自分で撮影した菱枠台車の写真や蔵書に掲載されていた図面はそのほとんどが今手元にないので参考になりそうなものをネットで探してみました。帯鋼の厚さや幅について大体の見当はつきましたが、これも最終的には保存車で確認が必要です。実際の構造と1/3スケールで再現するための手法(材料・組立)もほぼ確立できそうです。一つだけ迷ったのが揺れ枕で、せっかくこのサイズで作るならと意気込んだのですがこの台車の揺れ枕は外からほとんど見えず、想定される苦労の割には見た目の効用に疑問が生じたのでやめました。

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