2025/07/07

待避線(余談雑談) 初めての鉄道写真

  中学2年生の頃、家にあったハーフサイズカメラを持ち出しては近場で市電や国鉄の写真を撮り始めました。キャノンデミという露出計内蔵式の初心者用カメラでした。その露出計の指針に合うようにレンズのリングを回すとシャッタースピードと絞りが決まるわけですから、流し撮りも焦点深度も選択の余地はありません。にもかかわらず、神戸電鉄鈴蘭台駅の外れで撮ったこの一枚はなんとも迫力溢れる写真に仕上がりました。

 被写体はデ1型、開業時から働き続けていた最古参ですが撮影当時はまだ現役バリバリ。そのいかめしい車体を揺すりながら急坂をノッチオフで下って来た瞬間を見事に捉えたのでした。

 意図せずに素晴らしい写真が撮れたのでとても嬉しかったことを覚えています。何年か経ってから友人に頼んでパネルに仕上げてもらい、コンテストに出品しようかと思ったことがありましたが、応募用紙にでたらめなシャッタースピードや絞りのデータを書くことがためらわれて結局諦めました。