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台湾桃園(台北)空港にあった阿里山鉄道のレプリカ 車体は実物の1/2くらいだがゲージは実寸2’6”かな? 2007年頃自身撮影 |
作り鉄である私の鉄道の軌間はご存知15インチで、メートル法では381㎜です。車体は約1/3で製作しましたが、この軌間に対する縮尺や名称についての国際規格はないようです。というか私が知る範囲で日本型スケールモデルと言えるのは修善寺虹の郷ロムニー鉄道に保管されているC11ぐらいで、その縮尺が如何ほどなのかもわかりません(詳細はしかるべきサイトを参照ください)。自分では「15インチゲージ」と呼んでおり、このブログのタイトルにもそう書いています。
鉄道模型の大きさは一般的にポピュラーなものとしてNゲージやHOゲージ、私が幼かった頃は鉄道模型といえばOゲージでした。実際にはそのほかにもいろいろな縮尺や軌間で細分化されています。少し詳しい方ならご承知と思いますが、「○○ゲージ」というのは文字通りの線路幅だけではなく、縮尺も含めた名前なのです。日本国内のHOゲージについてその呼称の是非がずいぶん昔から議論されていて、いまだにネットや書籍等で続けられています。上に挙げたN、HO、Oの各ゲージは国際的に縮尺と軌間が統一されていますが、日本型車両の縮尺1/80はHOゲージの国際標準(規格)である縮尺1/87と合致せずガラパゴス化しています。そのため「HOゲージと呼ぶのは間違い」派と「HOゲージとして定着している」派が対立し、その他に「寝た子を起こすな」派や「12㎜(1/87)」派「13㎜(1/80)」派、「無派閥、無関心」層等に分類されます。私は「どうでもよい」派ですが、過去に作った模型は、対立する両派がともに認める16番(ゲージ)という呼び方を使うことで「問題があることは認識していますよ」と暗に装っています。
私が「どうでもよい」派である根本的理由は、趣味は自由であるべきだと思うことにあります。自分が作る模型の方向性は当然自分で決める、多様性が尊重される時代なので拘りをもって個性あふれる模型に仕上げる、こうすることで満足感のある趣味を楽しむことができるわけです。ただ大切なことは自分の考えを他者に押し付けないこと、あるいは自分の価値観で他者を批判することがないようにすることです。実は自戒の念を込めて言っているのでありまして、えてしていろいろな作品を目にすると、つい言いたいことを呟いてしまうのが私の癖なのです。さいわい誰の耳にも聞こえない独り言なので棘はありませんが、気づく度に「これはその人の個性、自由な発想なのだ」と言い聞かせて事なきを得ています。1/80を「HOゲージと呼ぶのは間違い」論と「HOゲージとして定着している」論、ご尤もと思う文言と言いすぎじゃないのと感じる部分がそれぞれにあって、余計な口出しをして巻き込まれたくないので「どうでもよい」、と言うのが私の立ち位置です。
15インチゲージがもっとポピュラーになればいいのに、と常々思っています。鹿部電鉄はこういうポリシーでこんなことに拘って建設していこう、と10年余りにわたって試行錯誤を繰り返してきました。しかし後に続く15インチゲージ鉄道がみんな鹿部電鉄に倣ってほしいなどとは思っていません。ただお互いに「こうしたら上手くいくンじゃないの」とか「こんな失敗をしちゃった」、「ここ拘ってるンだよね」というような会話(ネット交信)ができる相手がたくさんいたらもっと楽しいだろうな、と独り言ちています。